電車の優先席など無くしてしまえ

 今日、山手線の非優先席に座っていて、疲れた顔をした60歳くらいの初老の女性が目の前に立っていたので、席を譲ろうとしたら、「キッ」と睨まれてシカトされた。まぁ、「あたしゃそんなに老けてないわよ」的な怒りがあったのだろう。その気持ちは理解できるから、苛立ちはしなかったし、「ふーん」という感じだったのだが、こういう事態が頻発することを、どうすれば改善できるのだろう?

 「マナー」ではなく「ルール」の問題に変換してみてはどうか、と思う。つまり、「若者は席を譲ってあげる」のではなく、「譲らなければならない」というような言説を流布させ、そのような文化を創り上げてはどうだろう。善意的な言説だと、どうしても「弱者を庇うために席を譲る」→「あたしは弱者じゃないわよ!」というようなディスコミュニケーションが生じがちなので、純粋にルールの問題に変えてみてはどうか?という提案。いわば、全席を「優先席」みたいな状態にさせるというわけ。

 というか、優先席ほど無駄なものはないと思う。優先席以外だったら席を譲らなくて良いの?といえば全くそんなことはないわけで。老人がいないときに優先席が空いている場合、結局「普通の」誰かがそこに座ることになるわけだが、その際に、妙な罪悪感が残るのも鬱陶しい。

 繰り返すけれど、「普通の席だったら譲らなくても良い」というわけではないのだから、優先席など無くしてしまえよ。<普通の席/優先席>という奇妙な序列が設定されているからこそ、さまざまな軋轢が生じている面があるんじゃないかなぁ。もちろん、これは思いつきで、一面的な見方かもしれないけれども。