経済産業省次官「デイトレーダーはバカで無責任」とか

http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200802070395.html

 次官の想像の斜め上を行くバカ発言にいちいち突っ込む気にもならんが、矢口新のこの言葉を再度紹介しておこう。とりあえず、デイトレーダーはバカとか言う奴は死んだ方がいいよ。

 では、市場から投機筋を一掃すればどうなるか論じてみましょう。為替市場を例にすると、市場での取引は、財・サービスの輸出入に絡む実需と、旅行者などの外貨、邦貨の手当、資産の裏付けのある投資とその収益の送金などに限られてしまうでしょう。出来高は今の数パーセントとなり、売りたい人は買いたい人が現れるまで待ち続けねばなりません。(中略)日本のように貿易が大幅黒字の国では、外貨を売りたい人が行列を作って、買い手を待つことになります。しかも、この行列は日増しに長くなるのです。(中略)売れない市場に買いを入れる投資家はいません。投資家がもっとも恐れるのは、流動性の欠如だからです。(中略)このように、投機筋の市場における役割は非常に大きいのです。投機筋あっての市場ともいえるでしょう。誰かがリスクを取り、踏みこたえることによって、実需の偏りの緩衝材となり、過度の変動を押さえるのです。」

 つまり、デイトレーダー的な投機筋を一掃すると、買いたいときに買えない、売りたいときに売れない、という事態が発生する。あと、デイトレーダーだってきちんとリスクを引き受けていることも忘れてはいけない。

 デイトレーダーは、資本主義の枠内では、まぎれもなく社会的な貢献をし、公共性に資している。彼らが大儲けしたのは、その分リスクを引き受けたからだ。1億円儲けるかわりに、1億円の資産を失う、あるいは1億円の借金を背負うリスクを黙諾していたのだ。汗水垂らして働いた資金を失う、あるいは借金を背負うリスクを引き受けた分だけ儲けたのであり、その意味で株取引は、いかなる投機的なものであれ、自らの責任を全身で引き受けた行為といえるだろう。

 部外者がデイトレーダーに向かって「無責任」とか、どの口で言ってんだよ。唖然。