『グローバル経済を学ぶ』
さらっと読んだけれど、これは良書でしょう。真っ当な国際経済学の立場から通説を批判し読者を啓蒙しようと試みた本。国際経済学の基礎を身につけている人にとっては物足りないだろうけれど、ついつい陥りがちな罠を詳細に・優しく解説してくれている。
・グローバリゼーションは人々を不幸にさせる
・日本は国際競争力を強化しなければこの先危うい
・貿易赤字を垂れ流す国よりも貿易黒字を実現している国の方がより良い(貿易赤字は悪いこと)
・ヘッジファンドが跋扈したために90年代のアジア金融危機が生じた
・農業は低付加価値産業だ
・アジア通貨圏を構想すべきだ
…これらの通説を聞いて「うんうん」と納得してしまう人は、この本をぜひ読むべし。上記の通説が、国際経済学的な立場から、徹底的に否定されています。すぐれた啓蒙書。
グローバル経済を学ぶ (ちくま新書 657)
posted with amazlet on 08.02.10
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節度あるグローバリゼーション肯定論経常収支と資本収支
グローバル経済の基本