いまさらながらに面白い石原慎太郎についての分析
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070326/p1
石原慎太郎は基本的に悪意ある差別主義者というところから、「女性は弱く守るべき対象」と思っている人だと置き直すとわかりやすい。そうすると、多くの女性が石原慎太郎と同じ土壌に乗ってくる。女性の多くは、男性に守られた方がトクだと思っており、やたら権利を主張する女性を苦々しく思っているのである。
また複雑なのは、更に保守的な女性とフェミニストどちらにも含まれない、キャリア志向女性という層が存在する。この層は自立心が高いが、旧来のフェミニストの主張を嫌い、政治的には新自由主義志向である。小泉政権を熱狂的に支持したのもこの層だ。本来自立志向の女性を吸収してきたフェミニズムが力を失い、左翼的な政治による女性解放でなく、「男と同じ条件で勝つ」というのがこのネオリベな女性たちである。
自民党なぞは古い自民党的な要素で保守的な女性の支持を集め、新しい自民党的な要素でネオリベな女性の支持を集めるが故に女性も支持が高いのである。石原慎太郎はネオリベラリストではないかも知れないが、浅野史郎が格差是正の方向にシフトしているので、格差肯定論の多いネオリベ女性は石原慎太郎に流れると可能性が高い。
石原慎太郎に女性票が集まるのは半ば構造的なものであり、これに楔を打つのは容易ではない。できるとしたら保守的な女性の現実問題に切り込むしかない。既に男性に養ってもらう選択肢が奪われた薄給社会。子供ができても仕事を続けなければならないが、育児との両立の問題。実は保守的な女性の存在基盤は崩壊寸前なのである。この辺は石原慎太郎の政策の弱点でもある。
保守的な「男に守ってもらいたい」女性の支持+キャリア志向でネオリベ的な「男と同じ条件で勝とう」とする女性の支持=自民党、という視点は面白い。でも、ブクマのコメントにあった
石原氏の女性の支持が高いのは別にイデオロギー的なものではなく彼の政策能力の高さが認知されているからだと思われます。つーか本当の一般市民はイデオロギーでものごとを判断しません
が一番真理を突いているような気もする。彼の政策能力の高さは賞賛に値するレベルにあると思う。ってか、統計的な社会調査をしないと、すべては憶測。