発展途上国とCSRとか

http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20070827#p1

 多国籍企業がそのCSRを盾に現地企業の労使対立に介入したり、組合の結成を助けたりするのは、法律でいう「自力救済」に当たり、国内法でも国際法でも違法行為である可能性が高い。いくら途上国の腐敗した政府よりナイキの考え方のほうが「進んでいる」ように見えても、このようなあからさまな違法行為を行うことが容認されてもいいのか、と吾郷氏は疑問を投げかけている。

 このような、本来法的規範のような拘束力を持たないはずのCSRが場合によっては「法」をも超える権限を持つにいたった背景には、明らかに反スェットショップ運動のようなグローバルな消費者運動の高まりがある。これらの運動は、多くの場合途上国の政府や現地の企業などではなく、多国籍企業を対象として展開される。それはもちろんそのほうが影響力が大きいという実践的な側面もあるだろうけど、そこに「人権という概念すらまともに理解できていないかもしれない途上国の指導者」に何を言っても無駄だが、「人権の大切さはちゃんと分かっているくせに金儲けのためにそれを忘れたフリをする多国籍企業」に文句を言えば聞いてくれるかもしれない、という発想、いわば「白人の重荷」を果たそうという発想があるのは否定できない。

鋭い論点ですね。で、個人的には原理論ではなくプラグマティックに考えればよいかと思う。倫理ではなく、まず結果ありきで。「違法行為である可能性が高い」なら、黙認されうるような形で、おおっぴらにやらなければ良いかと。