アートの魅力の構成要素

1.生理的強度
2.意味的強度

効率的に生理的快感を生み出す方法は数にかぎりがある(人間の生得的な認知や知覚に沿った強度が飽和する)ので、生理的強度のみにもとづく限り、差異生成が困難になっていく。

そこで意味的強度が必要。

芸術家は、「意味」によって生理的強度を生み出せることに気がついたというわけです。人間は「意味」によっても「快楽」の遺伝子発現状態を生み出せるのです。ですから、脳科学認知科学が快感回路を探すのは面白いとは思いますが、それが「意味」によるものなのか、生得的なものなのか、の区別は非常に難しいものになるでしょうし、研究者の「センス」によって解釈が全く異なる事態になりそうです。

で、それからしばらくは「意味」を消費しまくる時代が続きました。単純な生理的快感パターンに、様々な「意味」を乗せて差異を生み出す。それがハリウッドであり、ポップスであり、現代アートであったわけです。そして今、「意味」さえも消費しつくしたからこそ、それは行き詰まりを迎えつつあるのです。じゃあこれからはどうすればいいのか?今現在は、使い古した意味と生理的強度を順列組み合わせ(これもポストモダン?)的に使って、なんとか循環させようとしている状態だと思います。(sivadさん)